東御苑散策 2022年5月14日と17日

5月14日(土)と5月17日(火)の2回、Fさんのガイドで、東御苑の大手門~三の丸~二の丸雑木林・庭園~梅林坂~北桔橋門~本丸大奥井戸跡のコースを、植物の説明を中心に散策/演習をしました。
参加者は5月14日は6名+世話人、5月17日で16名+世話人で合計24名が演習に参加しました。

以下、2回の報告の後、写真で研修内容を紹介します。

<5月14日>
前日より雨が心配されていました。当日早朝は雨が強く降っていましたが、散策開始前には小雨となりました。11時ごろには雨も止み、気持ちのよい散策となりました。
雑木林を中心に様々な草花から樹木についての紹介・解説、さらには木々の植えられた由来などご説明いただきました。そしてコブハクチョウやアカミミガメのお話や、尚蔵館の屋根に描かれている鳳凰、徳川家の家紋のお話、最後は北桔橋門の上水と大奥井戸についてのお話まで盛りだくさんな内容でした。12時頃に終了後、参加者のリクエストにお答えいただき、バラ園など、追加のご案内をしていただきました。Fさんのユーモアにあふれ楽しく分かりやすい解説を、ありがとうございました。これからしっかり復習させていただきたいと思います。

<5月17日>
散策にうってつけの気持ちの良い気候でした。東御苑の来場者が少なく、まるで当会の演習の為に貸し切りにしたように静かでした。この日は、偶然に 主馬班の馬に大手門を入ったところで遭遇しました。主馬班の方の説明では、通常は、開園前に訓練をするのですが、馬車を引く馬なので人に慣らすために、東御苑の入場者を見て訓練しているとの事。つぶらな瞳の馬の目隠しにも、菊の御紋が付いていました。

またまた偶然ですが、都道府県の松の木のところで、Fさんから松の緑摘みの説明を聞いていた時、丁度松の木に脚立を置き、緑摘みをされているのに遭遇しました。思わず、「どの様に摘むのですか」とお尋ねしましたら、「どの芽を摘み、どの芽を残すかは、木の形状を保つようにするのですが、摘む方のセンスによる」とのことでした。「強い芽は摘み、弱い芽を残す方が、木の形状を保てる」ともお話くださいました。F様の楽しい、ユーモアを含めた説明に偶然も重なり、3時間以上のご案内もあっという間に時間が過ぎ、楽しい散策となりました。

今回も多くの写真が集まりましたので、今回東御苑で出会えた植物を中心に掲載します。

大手門に向かって左側の小さな広場に集合しました。お濠の近くの大きな木はラクウショウ(落羽松)です。北米の湿地に生える木で、お濠近くは水気があるので好きな環境のようです。
ラクウショウの葉は鳥の羽のような形をしています。生きた化石・メタセコイアの葉に似ていますが、メタセコイアは小さい葉が対になって並んでいるのに対して、ラクウショウの葉はしっかりとした対にならず少し乱れています。
コブハクチョウがお濠を優雅に泳いでいました。今では5羽しか残っていなくて、本当はさみしいのかもしれません。
主馬班の馬の訓練です。儀式で馬車を引く馬で、人に慣れるために東御苑が開演している時も訓練するそうです。
サンゴジュの垣根です。葉に水分を多く蓄えるので防火に役立つそうです。
三の丸尚蔵館前のアカメガシワです。新芽の部分が赤くて、布や紙に押すと赤い色に染まるそうです。
トウカエデ(唐楓)の大木です。江戸時代に中国から徳川幕府に贈られたのが始まりで、江戸城や大名の屋敷に植えられていました。公害にも強いと言うことで最近は街路樹としても植えられます。
石垣に生えたツルドクダミです。この時期、東御苑の石垣の隙間には、いろいろな植物が芽を出しています。石垣のいろいろな高さに植物が芽を出している様子をFさんは植物のマンションとたとえられました。
東御苑にはいろいろな種類のカエデやモミジが植わっていますが、これはコハウチワカエデです。葉っぱの形が天狗の羽うちわに似ているのでこの名前がつきました。
カエデの若い種子です。学校で習ったように、プロペラの形をしています。
カツラの大木です。銀座の街路樹に植えられるということが話題になりました。
カツラの根は勢いが強くて遠くまで根を張ります。ここでも向こうのカツラの木からこちらまで太い根が伸びていました。街路樹にしたときに、根がのびすぎて舗装が大丈夫か心配です。
エゴノキに巻き付いたフジのつるです。ここでは、藤の棚ではなくて自然にあるように木に巻き付いてのびています。巻き付かれた木は締め付けられるのと、上に茂った葉に日光を遮られて弱って枯れてしまいます。
フジに巻き付かれたエゴノキの花です。弱っていて花の数も少ない様子です。
エゴノキの花は森のシャンデリアと言われるように、白い花を下向きに開きます。
歩道の横には皇居正門石橋の旧飾電灯が残されています。雨にぬれてしっとりと、ひっそりとたたずんでいます。垂れ下がった電灯はエゴの花にも似ています。
丸い葉を付けた蔓草がサルトリイバラです、Fさんの故郷では、この葉っぱで柏餅のように餅を包んで要るそうです。

こちらは柏餅をつくるときに使う、カシワの木です。餅を包むのに東日本ではカシワの葉を使い、西日本ではサルトリイバラの葉を使うところが多いとのことです。

木イチゴの一種のカジイチゴです。オレンジ色の実がきれいです。
白くてすっと立っているのが寄生植物のヤセウツボです。外来植物で葉緑素はなく花穂だけが地面からのびています。
地面からすくっと伸び出したオニノヤガラ(鬼の矢柄)です。ラン科の腐性植物で葉緑素はなく必要な栄養を菌根に住む菌類からもらって成長し、花だけを地上に出します。
卯の花ともいう、ウツギの花です。幹の中心が空洞になている木は、ツクバネウツギ、タニウツギ、バイカウツギなど違う科でも〇〇ウツギ(空木)と呼ばれるものがあるそうです。
ナツツバキは通称シャラノキとも呼ばれます。丸いつぼみがいくつも付いていました。花は一日しか保たず、朝咲いて、その日のうちに散ってしまいます。お釈迦様が入滅されたときに白い花を咲かせた沙羅双樹とは種類が違うそうです。
東御苑には何種類もの竹が植わっています。代表的なのがマダケとモウソウチクです。マダケは節のところに2本の山があり、モウソウチクは1本です。
ガマズミの白い花が満開でした。秋には赤い実がなります。
ユキノシタの白い花が咲いていました。葉っぱを天ぷらにするとおいしいということです。このほかにタラの芽やウド、ヤブレガサなど山菜として扱われる植物も生えています。
シモバシラ(植物名)の株です。シモバシラは冬には枯れてしまいますが、茎の繊維が強く、維管束(根と葉をつなぐ管)が丈夫で、枯れても地面から水を吸い揚げ、寒い日に茎から霜柱が出るので此の名が付きました。冬に来て一度見てみたいと思います。
フタリシズカは葉の付け根から2本(1本のも3本のもある)の花穂を出して白い花を咲かせます。花補が一本で背の小さいヒトリシズカという種類もあります。今回は花がおわって緑の小さな実を付けていました。
葉に白っぽい模様があるのがカンアオイです。葉の下の地際に地味な花を咲かせます。我が家にも実家からもってきたのを植えてますが、増えるのにとても時間がかかります、
細長いハート型の葉のある蔓草がアカネです。この植物の根で布を赤く染めることができ、その色をあかね色といいます。正倉院宝物の再現のために皇居のアカネの根が利用されたことがあるそうです。
ヤマボウシの花です。満開の大木は真っ白に見えます。ハナミズキや、ハンカチの木と親戚関係になります。
花菖蒲の花にはまだ少し早かってですが、サツキなどの木々の新芽とともに明るい緑が目に優しく心も癒やされる景色です。
ナスヒオウギアヤメの大きな株が紫の花を咲かせていました。花菖蒲よりも早く咲いて、ひときわ目立っていました。

アカシテが緑の花穗を下げていました。シデ仲間にはクマシデ、イヌシデがあり、どれもホップのような花穗を作ります。シデは花穗が、注連縄などに付けて垂らす紙の幣に似ていることから命名されました。
池にはコウホネの黄色い花が咲いています。岸辺には紫のシランの花も満開でした。
ヒレナガニシキゴイが優雅に泳いでいます。夏と違って水が澄んでいるせいか一段ときれいで、日本画をみているようです。
ヒメコウホネもたくさんの花を咲かせていました。
松のみどりつみ作業の最中です。樹形を整えるためにスクッと伸びた「みどり」{松の新芽のことです)を摘み取る作業です。
ヒメジオンの花が咲いています。ハルジオンとよく似ていますが、ハルジオンはつぼみが垂れ下がっていたり、葉の付け根が茎を抱いて巻き付いているのが特徴だそうですが、見分けるのは難しそうです。
梅林坂には鴛鴦(えんおう)の実がなっていました。鴛鴦は八重梅ですが1つの花からペアの実をならせるので、オシドリ(鴛鴦)に例えられて命名されたそうです。

ダイダイの白い花が満開です。
花と実が一緒についているダイダイの木です。このあと夏になると実がもう一度緑色になるそうです。花と去年の実が一緒になり、親子孫と代々続くということにから縁起がよく鏡餅にも使われます。
赤いザクロの花が咲いてました。ザクロは大きな丸い実から多くのルビーのような種子が出るので、子だくさんを象徴し、これも子孫繁栄で縁起がよいとのことです。写真のは花ザクロです。
ケヤキの幹にヤドリギが寄生しています。鳥が赤い実を運んで、木の上で発芽して寄生するようになります。冬になるとケヤキが落葉して、ヤドリギだけが青々と葉が茂り大変目立つようになります。

シロハマナスの花が満開でした。
ハマナスの根を染めに使う秋田黄八丈の写真を見ながら説明を聞きました。
こちらはピンクのハマナスです。赤い実がなりローズヒップティーにできるそうです。
ハナイカダの葉です。葉の真ん中に白い花が咲き、あたかも葉の筏に花が乗っているように見えるのでこの名前がつきました。すでに花が終わって小さな緑の実ができていました。
第1回目(5月14日)のメンバで記念撮影です。お昼頃には雨もほぼ止みかけていました。
第2回目(5月17日)のメンバで記念写真です。この日は散歩日和でした。

Fさん、日々成長し開花状況も変わる植物の状況を調べて研修の準備するのは大変だったと思います。大変ありがとうございました。これをきっかけに、東御苑や公園の植物にも目を向けて季節を感じることができるようになれたらと思います。

“東御苑散策 2022年5月14日と17日” への3件の返信

  1. 楽しく興味深い勉強会、Fさんありがとうございました。

    緑に包まれたような時間でした。森のシャンデリア、石垣のマンション、なんて素敵な比喩でしょう。
    南から北の山や森・林の草木に東京の真ん中で出会えるなんて、東御苑は植物の展示場のようですね。

    草木は一度では中々覚えられないものです。写真のキャプションのおかげで復習ができました。Hさんいつもありがとうございます。

  2. 雨で洗われた緑がとても美しく豊かな時間を過ごさせていただきました。たくさんの種類の植物それぞれが違う植生・働きがあることがわかり今後東御苑を歩くときには違う見方になると思います。お濠の鳥の話、偶然遭遇した皇居の馬の話、橙のいわれ 等、特に印象に残っています。「こんな素敵な場所が都会の中にあるなんて」と豊かな気持ちになれました。雨の中のガイド、ありがとうございました。

  3. 少し雨模様の東御苑木々がみずみずしく、緑がきれいでした。
    思わず深呼吸したくなる少しひんやりとした空気のなか、ユウモアを含めた植物の話を多いに楽しみました。ご案内ありがとうございました。

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